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 ペン習字

■ ペン習字について

 ペン習字とは

私たちはふだん、いろいろな筆記具で文字を書いています。万年筆、ボールペン、シャープペンシル、鉛筆、サインペンなど、それらはいつも身近にあって、メモや日記、手紙やはがきやレポートなどを書くために、日常生活に欠かすことのできない生活必需品となっています。こうした便利で実用的な「先の硬い筆記具」を、広い意味で「硬筆」といい、伝統的な書法を主体とする「毛筆」と区分けしています。そしてこの「硬筆」、つまり万年筆やボールペン、鉛筆などの筆記具で書いた文字を「ペン習字」または「ペン字」といっています。
ペン習字の特長は、現代にふさわしい 「正しく美しい、書きやすく読みやすい、スピード感のある字」にあります。そのためには筆記具それぞれの構造の違いを知って、できるだけ道具に合わせて使うことが大切です。

 ペン習字の学習

習い事はどの道でも同じですが、何事も最初が肝心です。美しい字を書くために努力目標を決めて、まず、正しいペンの持ち方から勉強してください。何を子どもじみたことを、とお思いになる方もいらっしゃるかもしれませんが、最近の傾向として、箸の持ち方も満足にできない人が大変目につきます。正しいペンの持ち方は箸を次にカリキュラムに従って、基本事項を正しく覚え、それを繰り返し勉強してください。練習するときは、やや大きめの字をゆっくりと丁寧に正確に、手本を写すように書きます。また、書き終わった後、手本とよく見比べながら手直ししてゆくことが大切です。頭の理解度に比べ、手は後から上達するものです。強さと柔らかさを兼ね備えた、張りのある美しい文字を書くためには、理論を会得し、実地に生かせるよう工夫しなければなりません。むやみに手を動かすのではなく、目的をつかんで線を引いていきます。どの位置でどのくらいの長さにするか、字の細部にわたって神経を遣い、どこがポイントか、意識して書くことです。わかってくるほどに自然に速さも出ます。そして速く書くところとゆっくり書くところとの区別がついたとき、リズムがつかめ、なめらかな運筆ができ、筆勢がついてきます。あせらず怠らず、息長く練習を続けるうちに、自然に力がついてきます。コツをのみこみ、手がスムーズに動くようになれば、字を書くことが楽しくなり、自分自身への励みにもなります。何事も持続させることが大切です。ペン習字上達の秘訣は、正しい字の要点をつかみ、手に覚えさせるほど、繰り返し練習することです。そうして努力を続ければ、どなたでも、見違えるようなすばらしい字が、きっと書けるようになります。

 毛筆に比べ、ペン習字では容易に上達しないという。何故か? 

字がうまくなりたかったら毛筆て習うに越したことはありません。毛筆だと字形だけでなく上達に欠くことの出来ない筆圧の要領も学べるからです。しかし、書道教室に通ったからといって、必ずしもうまくなるとは限りません。最近の書道教室は作品第一主義に偏していて展覧会用の作品ばかり書かせるところが多く、日常の書をないがしろにしているからです。仮に意に叶った教室があったとしても、通 う暇がないとか、余りにも下手なので他の人と一緒に勉強するのが恥ずかしいと言う方が大勢います。

そこで「こっそり自宅でペン習字を」ということになるのでしょう。書道教室や書道塾では漢字なら半紙に六文字くらいの手本を貰い、二時間ほどかけて練習し、先生に添削してもらいます。そして家へ帰ってからも毎日それを練習し、翌週再び清書して持ってきます。つまり、たった六文字を修得するのに六時間位、一字あたりにすると一時間も時間をかけて勉強するのです。

ところがペン習字の場合は、気楽にやれるのはいいのですが、一字あたりにするとせいぜい二分くらいしか時間をかけていません。六十分の一の努力では、毛筆に比べて上達しないのが当り前というものでしよう。では、ペン習字では絶対上達しないのか!というと決してそうではありません。勉強の仕方と日常の心掛け一つでどうにでもなります。「貴女ってこんなにうまかった?」「いつ、誰に習ったの?」と早くお友達から言われるようになりたいものですね。

 左利きの人は何故字が下手か

野球やボクシングの世界にはサウスポーの選手が大勢います。テレビなどで見ると外国の人にも左利きの人は大変多いようです。それはそれでいいのですが、こと日本の文字を美しく書く段になると、左利きは大きなマイナス要因になります。それは本来日本の文字は右手で、それも縦書きで書くように作られているからです。字にしても平仮名にしても大部分の文字は左上から始まり右下で終るようになっています。しかも終筆部を書き終えたペン先が下の字に移行しやすいようになっています。これを左利きの人が書くと大変無理が生じ、横画も右下がりになり易いのです。だから決して美しい字は書けません。

最近は日本人でも若い人に左利きが多くなりました。子供の頃の親の躾が甘かったのでしょうが、字がうまくなりたかったら、先ず左利きを正常な右利きに直してもらわなければなりません。

 効率的な「馬鹿の一つ覚え」法

「練習している時はちゃんと手本通りに書けるのですが、いざ日常の仕事でものを書く段階になると、途端に今までの自分の字になってしまうのです」と言う人が十人中九人はいます。無理もありません。仕事は忙しいのですし、しかも横書きが殆どです。

だから家へ帰った時は、手紙にしろ日記にしろ、落ち着いてゆっくり書くように習慣づけて下さい。でも、お勧めしたい良い方法があります。称して「馬鹿の一つ覚え」法-。少々言葉が悪くて申しわけないのですが、これほど効率的な方法はありません。

具体的に説明すると、一日に二字か三字ずつマスターしていく方法です。随分のんびりしていると思うかもしれません。仮に1日3字とすれば1年で千字以上の字が完全修得出来るのです。例えば今日テキストで覚えたものの中から「事」「家」「の」の三字を選んだとすると、仕事の時でも家で手紙や家計簿をつける時でも、この字が出できたら、そこだけゆっくり丁寧に習った通りに書くのです。仕事がいくら忙しくでもそれくらいの時間はとれる筈です。次の日は前日の三字に加え、別の三字について同じような試みをします。いつものクセ字・悪筆に何カ所か奇麗な字が混ざるのですから、木に竹をついだみたいになりますが、ぐっと我慢しましょう。友達など出来るわけがありません。「今、勉強中なので、統一のとれない文字を羅列してしまってご免なさいね。この次出す時は見違えるような手紙を書きますから」と一言手紙の中で断わっておくのも却ってご愛敬で艮いでしょう。とにかく「馬鹿の一つ覚え」に徹し、自分の手から従来のクセ字・悪筆を一つずつ抹殺していくこと、一度習った字は普段どんどん使うこと、それが上達への早道なのです。それをしないと何時まで経ってもクセ字・悪筆はなおりません。

 ボールペンのすすめ

一口にペン字といっても、筆記具には色々なものがあります。鉛筆、つけペン、万年筆、油性ポールペン、水性ボールペン、フェルトペン、ロットリングペン、サインペン、筆ペン等々。先に「毛筆に比へ、ペン習字では容易に上達しないという。何故か?」のところでも述べましたが、うまくなるためには、固い筆記具よりも筆圧の強弱が出せる柔らかめのもので練習した方が良いのです。そういう意味では筆ペンが一番いいのですが、これは毛筆に準ずるもので、一般の人は年賀状を書く時くらいしか利用しません。だから一応ここでは除外して考えましょう。鉛筆なら2Bくらいの柔らかいものがいいのですが、こすって手が黒くなるのは嫌ですね。

つけペンは現在殆ど使われませんが、万年筆をお持ちの方なら、それを使ってもよいでしょう。今、会社でも家庭でも、手をのぼせは何処にでも転がっているのがボールペンです。現在最もポピュラーな筆記具といえましょう。でも、その殆どは油性ボールペンです。最初から最後まで同じ筆圧で書かなければならない複写には最適なのですが、暖かな時にはボテがあったり、寒い時にはインクが出なくなったりと不便なこともあります。メーカーの説明によると最近のもの改良されていると言うのですが、安いボールペンはやはり同じです。それに油性ボールペンは先端のチップ部分もインクの粘度も固いため筆圧の強弱は出しにくく、ペン習字の練習には向きません。 そこでお勧めしたいのが水性ボールペン。インクの粘度が弱いために、万年筆に近い感じで強弱(線の細い太い)の表現が可能です。勿論ボテもありませんし、油性ボールペンのように力を入れないでも楽に書けます。

ただ水性ボールペンは、インクがすぐ紙に吸収されてしまうので、線の太さはやや太くなり、余り細かな字には向きませんが、練習はなるべく大きな字二センチ四方以上)で書いた方が良いので、ペン習字にはうってつけとも言えましょう。ぜひ一本用意して下さい。

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