最近の退職理由は<会社都合>と<自己都合>が主。
転職を目的にした退職でも、大別するとリストラや倒産など、会社の都合で「辞めさせられるケース」と、転職者自身の意思によって「辞めるケース」があります。景気のよい時代は「もっと条件の良い会社へ」「もっと自分を活かせる仕事へ」といった後者の<自己都合>による退職・転職が多かったのですが、最近はほぼ半々。自分の意思とは無関係に<会社都合>によって退職・転職を迫られるOL・サラリーマンが急増しています。
退職前後の流れと留意点
ここでは退職前から再就職までの流れを確認します。通常は、以下1~7のような流れです。
1.退職の意思表示
退職届を提出し会社に退職の意思表示をします。
2.退職の了承
会社が退職を了承します(なお、ここで翻意を促がされる場合もあると思いますが、くれぐれも円満退社を心掛けましょう)。
3.後任者への業務の引継ぎ
最終出勤日までに、自分の担当業務を後任者に引き継ぎます。
4.有給休暇の消化
年次有給休暇が残っている場合は、引継ぎ終了後に消化することになります。
5.退職
最終日を迎えて退職。被保険者証や会社から預かっているものを返却します。
6.転職活動
ほとんどの人は退職してからの転職活動です。なかにはそれ以前に活動が可能な人もいると思います。しかし、業務をおろそかにしてまで転職活動に没頭するとさまざまな弊害が出ることがあるので十分に気をつけてください。
7.再就職先の決定
再就職先が決まると、労働条件の確認、その後労働契約を締結することになります。
適職探しは、まず「やりたい仕事」を明確にすることから
いまの仕事は自分には合わない。もっと自分に合う仕事があるはず。そんなあいまいな理由で転職を行っても、やりがいのある仕事に出合える可能性は少ないでしょう。「いまの仕事が合わない」と思ったら、「こういう仕事なら合う」「こういう仕事をぜひやりたい」という意思を明確にしないと、自分に合う仕事は見つかりません。適職は偶然見つかるものでなく、自分で見つけるもの。そのためには、「やりたい仕事」をはっきりさせることが大事です。また、「やりたい仕事」があいまいなまま転職した場合のマイナスはもう1つあります。採用試験では、「ぜひこの仕事をしたい」という応募者が殺到するでしょうから、「やりたい仕事」が明確でないと、仕事に対する熱意を疑われ圧倒的に不利です。
「①職種」「②業界」「③やりたい仕事」をなるべく具体的に記入する
やりたい仕事の整理は、職種の志望からスタートします。「これまでと同じ秘書(専門職)の仕事を続けたい」「経理(事務職)だったが、今度は営業をしたい」など、希望の「①職種」を明確にします。次に、どんな業界に進みたいか。「これまでの実績を生かせるアパレル業界で働きたい」「夢だったマスコミ業界で働きたい」など、「②業界」を明確にします。特に強い希望がなければ、RH当ての業界を複数あげるといいでしょう。最後に、応募した会社に受かったらどんな仕事が「したいか」「できるか」など「③やりたい仕事」を具体的に書き込んでいきます。
転職・再就職活動をする場合、必ずしも自分の意志で行う人ばかりではないかもしれません。しかし、同じ求職活動をするのなら、自分の直面する「転機」を「新しい可能性に出会えるチャンス」と積極的にとらえる姿勢をとりたいもの。リストラや会社の倒産などの不本意な離職であれ、また、勤務先に対する不満を理由とする転職であれ、応募先の企業にとっての関心事は「自社にとって望ましい人材であるかどうか」に尽きるのです。したがって、応募書類では「これまでの経験や知識をいかに的確に伝え、自分の価値を理解してもらうか」という点に力を注がなくてはなりません。そして、その前に忘れてならないのは、自分のこだわりやアピールポイントなどを再確認する「自己分析」です。
自分=商品と考え、セールスポイントを冷静に分析する
次に現在の自分には、どんなセールスポイントがあるか整理してみましょう。それには自分=商品と考え、セールスポイントを冷静に分析することが大切です。「自分はこういうことが得意のはず」といった思い込みではなく、「実際に15年のキャリアがある」「○○の資格がある」「300人の顧客がいる」といった具体的かつ客観的なセールスポイントでなくてはいけません。
まず、思いついたことを片っ端から書いていく
自分にはどんなセールスポイントがあるか、なかなか思いつかない人は、1回でもほめられたことなどがあれば、そうした事例をあげていきましょう。「字がきれいだと言われた」「トラブルにきちんと対処して感謝された」など、思い出したことを片っ端から書き出していきます。その中から「使えるデータ」を抽出し、セールスポイントとして整理します。
免許・資格も整理しておく
セールスポイントの中でも、特にアピール度が高いのは免許・資格の類です。いつごろ、なぜ取得して、その資格を現在どう活用しているかなど書いておくと、履歴書や面接でのアピールにつながります。
・あくまでも「前向き」な姿勢で前職・会社の悪口はタブー
元の職場の待遇や仕事内容に不満があった場合に、それをそのまま答えるのは避けるべきです。どんな事情があったとしても、新しい職場に応募する際は「前から関心をもっていた分野だったので求人を知ってチャンスだと思った」「以前の職場では、このような職種が存在しなかたので」というような、前向きな理由を挙げるのが「応募の常識」です。
後ろ向きの理由は避けましょう。
かつての勤務先や仕事に対するグチを面接で述べるのはだめ。転職・再就職の理由は、ポジティブに。
・尊大にならず、卑下もせずという姿勢で
かつての勤務先が有名企業や大企業でも、それを自慢するのは禁物。逆に知名度が低い企業でも必要以上に謙遜しなくてよいでしょう。
・「辞めてから決める」よりも「決めてから辞める」
リストラや倒産は別として、通常は在職中に求職活動をしたほうが好条件で決まります。仕事をしながらの活動は大変でしょうが、土日有給休暇をうまく使って乗り切りましょう。
・再就職こそしっかりした準備
出産などで仕事を離れていた人は、通常の転職よりもブランクがあるだけに不利。それを補うためには資格取得や短期のアルバイトで実務経験を持ちましょう。
・給料の高望みはケガのもと
転職も再就職も、採用時の給与額にこだわりすぎるとなかなか決まらない。それよりも、仕事内容にある程度満足できるのであれば、まず仕事を始めることが先決。給与面については先方の提案を待つほうが賢明。
・「勉強させてください」はダメ
社会に出た経験があるなら、「職場が学校じゃない」ことは十分承知なはず。必要な勉強は自分でするが基本的な姿勢です。
求職活動において、新卒・社会人経験者いずれにも求められるのは「やる声です。しかし、今のご時世、単に意欲だけではなかなか採用には結びつかないのが現実です。とくに転職・再就職の場合は、これまでの経験に裏づけされた実力を企業側に伝えることができなければ、「魅力ある人材」であることを理解してもらえません。だからこそ「履歴書」や「職務経歴書」の書き方を工夫することが求められるのです。過去の経験や実績は「ありったけを書く」というのではなく、「応募先の企業がどのような人材を欲しているのか」という視点を理解したうえで適宜、取捨選択することが重要です。
転職・再就職者には「即戦」新卒には「将来性」を期待
労働市場において、企業側が新卒者と転職・再就職者に期待することは自ずから異なります。実務経験がない新卒者の場合は、「この人はどれぐらい将来の可能性があるか」という視点から採否を決めますが、すでに就業経験のある人の場合は、「これまでどんなことをしてきたか」という実績を元に「いかに即戦力となるか」という点からの評価となることが多くなります。したがって、転職・再就職の場合、過去とまったく関連性のない職種に転職することはこれまでの経験や実績を生かすことができず、年齢を重ねただけマイナス評価される可能性があるので十分注意が必要です。どうしても異業種への転職を日ざしたいという場合は、何らかの形でこれまでの経験を活用できないかを考えてみましょう。
生活を維持していくには、退職後できるだけスムーズに次の職場を見つけられ ることが理想的です。そのためにも、転職活動は退職前後の時期から積極的に進める必要があります。転職活動で最初にやらなければないのが求人情報の収集です。現在では下記のように求人情報を提供しているツールもさまざまなので、それらを臨機応変に活用しながら希望の会社を見つけましょう。
退職から再就職までの流れ
自分に合ったツールを利用し、効率よく求人情報を得ましょう。
●求人情報誌
●新聞
●新聞の折り込み広告
●公共職業安定所(ハローワーク)
●人材銀行
●人材紹介会社
●インターネット上の求人情報
なりたい自分が見つかる。実現できるスクール・講座が選べる。仕事に役立つ資格、自分をみがく趣味・おケイコ情報ならリクリートグループの「ケイコとマナブ.net」
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