求人に応募する前に、その会社の内情を把握することが重要です
苦労して入社した会社が、実際に働いてみると入社前の労働条件とは大違いだったり、サービス残業ばかりの会社だったり・・・。また、入社して間もなく倒産などということになったら、せっ かくの転職活動も水の泡となってしまいます。そこで、転職活動中に、できる限り会社の情報をチェックしておきたいものですが、現実にはその情報源はかなり限られています。まずは、『会社 四季報』(東洋経済新報社)ならば、会社の基本的な情報(設立年月日や直近の業績等)が得られるので利用してみるとよいでしょう。
最近では多くの会社が自社のサイトを開設しているので、そこから各種情報や社風を確認することも情報収集の基本といえます。また、最近では、労働環境の悪い会社をランキングでまとめたサ イトや、会社の実情が書き込まれた掲示板サイト等も存在します。しかし、匿名で発信されている情緒的でどこまで真実を語っているかを判断することは困難です。根拠のない情報に振りまわ されないようにしましょう。あと、いうまでもありませんが、根拠のない情報をインターネットで流す側にまわるのは、絶対にやめましょう。
就職を希望する会社に知り合いがいれば、会社の内情を聞くことができます。また、同業他社や取引業者に知り合いがいても、間接的にではありますが、ある程度の経営状態や社風がわかります 。実は、この方法が一番確かな情報を得る方法かもしれません。現実的には難しいかもしれませんが、自分の知り合いにそのような人がいれば頼ってみるのも手です。
募集・採用時の男女雇用機会均等法のルールを確認しましょう
さきほどは、会社が労働者を募集・採用をするにあたって規定されている法律を取り上げました。そのなかでも多いのが、面接の際や採用選考の際に、明らかに性差別と思われる扱いを受けたという声です。そこで、「労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない」と規定している男女雇用機会均等法について禁止されている措置を説明します。具体的には、募集及び採用に関し、次に掲げる措置を講ずることが禁止されています。
●募集または採用にあたって、その対象から男女のいずれかを排除すること
●募集または採用にあたっての条件を男女で異なるものとすること
●採用選考において、能力及び資質の有無等を判断する場合に、その方法や基準について男女で異なる取扱いをすること
●募集または採用にあたって男女のいずれかを優先すること
●求人の内容の説明等募集または採用に係る情報の提供について、男女で寅なる取扱いをすること
募集・採用にあたって上記に該当する会社は明らかな法令違反です。仮に、このような会社に入社したとしても、入社後もさまざまな法令違反を犯す可能性が高いであろうことは想像できると思 います。そのため、求人でどんなに好条件を示している場合であっても、法律や法令を軽視する会社への応募は避けたほうが無難です。入社後に労働トラブルに巻き込まれる危険性もあります。 今回は男女雇用機会均等法を確認しましたが、他の法令に関しても同様にチェックしておくと、条件面以外で会社の善し悪しを判断するのに役立つはずです。
男女雇用機会均等法では募集・採用におけるあらゆる性差別を禁じています。
1.募集または採用にあたって、その対象から男女のいずれかを排除すること
求人募集の際に、性別を限定するような職種名を用いることは禁止されている
2.募集または採用にあたっての条件を男女で異なるものとすること
女性のみ「未婚」を募集や採用の条件にするといったケースは、法律違反である
3.採用選考において、能力及び資質の有無等を判断する場合に、その方法や基準について男女で異なる取扱いをすること
男性のみ面接の回数を多く設定するなど、性別によって選考の工程を変えるのは認められていない
4.募集または採用にあたって男女のいずれかを優先すること
能力ではなく、性別を理由に男性を多く採用するといった優遇措置は禁止されている
5.求人の内容の説明等募集または採用に係る情報の提供について、男女で異なる取扱いをすること
説明会や資料送付を女性のみに限定するなどの性差別は法律違反である
面接官に好印象をもたれるように服装等には気をつけましょう
書類審査に通過すると、次はいよいよ面接です。ここで初めて会社側の人と会うことになります。大企業では人事担当者が面接を行いますが、中堅・中小企業ではいきなり役員や社長自らが面接 を行うことも珍しくありません。また、大企業の場合、一次面接、二次面接、最終面接と、採用に至るまでには何度も面接を受けることになります。中堅・中小企業の場合は、大企業とは異なり 、何度も面接を行わず、1回の面接で採用が決まることもあります。
面接を受けるにあたっては、何はともあれ清潔な服装、身なりで臨むことです。特に男性はシワだらけのスーツやシャツを避けるのはもちろんのこと、無精ひげや寝癖に注意してください。一方 、女性は過度なメイクやネイルアートは慎みましょう。このようなことでは、いくら中身が優秀でもマイナスの印象を与えてしまいます。また、面接時に極度に緊張してしまう人がいて、面接の 際に何を質問されたのかもほとんど覚えていないというような場合もあります。緊張するのは仕方ないと思いますが、面接に臨む前のイメージトレーニングは必要です。極度に緊張する人や、自 分1人でのトレーニングが難しい人には、周りの人に面接官になってもらい、模擬面接を行いましょう。ちなみに、このようなトレーニングカリキュラムを提供しているコンサルタントもあります ので、利用するのも1つの方法です。面接では、質問されたことにきちんと答えられるだけでなく、逆に自分のほうから質問を行える位になりたいものです。面接は自分自身を直接アピールできる 唯一の場なので、自分自身をすべて出し切れるように事前にしっかりと準備することが大切です。
どんなにキャリアのある人でも、第一印象が悪ければそれでおしまいです。面接では「見た目」が勝負。何も新調すればいいというのではなく、クリーニングがしっかりされた服、磨き上げた靴で十分です。清潔感あふれる服装で、相手の好印象を勝ち取らなければなりません。また、手入れの行き届いた髪やツメ、女性なら自然なお化粧を心がけることも大事です。
髪型
長髪や茶髪は避けたほうが無難です。寝癖などにも気をつけてきちんと整えましょう。
ひげ
清潔感を考えるときちんと剃ったほうがいいでしょう。特に無精ひげには注意です。
スーツ
ダークグレーなどの落ち着いた色を選びましょう。ズボンにはブレスをかけておくように。
手
爪はきちんと切っておきましょう。腕時計はファッション性を重視したものを避けたほうが無難です。
ネクタイ
奇抜な色やデザインは避け、スーツとの組み合わせを意識してシンプルなものを選び諌しょう。
靴
黒やダーク系が一般的です。意外と靴の汚れは目立つので事前にしっかり磨きましょう。
靴下
ズボンや靴の色に調和する黒や紺色が望ましいです。丈が極端に短いスニーカーソックスは、座ったときに地肌が見えてみっともないので避けましょう。
髪型
女性の場合、軽い茶髪ならば許される傾向にあります。ただし、あまりにも奇抜な色やヘアスタイルは避けましょう。
メイク
ナチュラルメイクが望ましいです。派手な口紅やアイシャドウはやめたほうがいいでしょう。
スーツ
スカートでもパンツでも可。落ち着いた色を選択しましょう。
手
ネイルアートは避けましょう。マニキュアもベージュや淡いピンクなどの色が無難です。
アクセサリー
シックなデザインであれば、つけていても問題視されません。ピアスヤイヤリングは揺れないものを選びましょう。
足元
靴は黒か茶色のパンプスがいいでしょう。ヒールの高すぎるものは避けるべきです。ストッキングは肌に近い色を選び、伝線していないか事前に確認しておくことも忘れずに。
新卒者の採用試験とは異なり、筆記試験はなく(あったとしても、そこでの成績で合否が決まることはまずない)、ほとんど面接試験のみです。また、面接も応募者がグループで受けるのではなく、一人ひとりと行うやり方が一般的です。面接時問も30分~1時間前後が相場で、じっくりと応募者のキャリアや人柄を見ることに主眼がおかれています。時間は長いようですが、実際に受けた人の話では、「アッという間で、十分に自己アピールができなかった」と言う意見が多く聞かれます。自分を理解してもらうには、面接官の質問にできる限り簡潔に答え、限られた時間を有効に使い積極的にアピールすることを心がけましょう。そのためには、「志望動機」や「退職理由」など、あらかじめ予想できる質問に対する回答や応募する会社に関する下調べなど、事前に準備しておくことが大切です。
面接官との受け応えでは、どんな場合においても謙虚で、かつ気持ちがこもっていることが第一です。面接のアポ取り時や受付でのあいさつ時はもちろん、面接官の前でも「こんにちは。○○と申します」「よろしくお願いいたします」など、大きな声で明るくあいさつすることが好印象につながります。中高年者の場合、年齢にふさわしい「落ち着いたあいさつ」も信頼を得る上で有効ですが、求職意欲を表すには新人のようなあいさつを心がけましょう。また、名前を呼ばれたり、質問に回答したりするときには、キャリアのあるなしに関係なく、まず、大きな声で「はい」と返事をしましょう。話し始めるうえで気持ちの整理やリズムをつくり、面接者の意欲が気持ちよく相手に伝わっていくものです。
敬語はビジネスの基本です。次に示す法則を身につけ、正しい使い方を心がけましょう。
①敬語には3つの種類がある・・相手の行動や状態につける<尊敬語>、自分の行動や状態につける<謙譲語>、ていねいな言い回し<丁寧語>。
②使う相手を間違えない・・相手の会社や社員、取引先、顧客などを表すときは<尊敬語>、自分の家族や親しい友人などを表すときは<謙譲語>。
③話の流れの印象が大事・・「拝見する」を「見させていただく」と言ったとしても、決定的な誤りではなく、話全体の印象がていねいなら十分。相手への敬意を失わず、積極的に話すことが大事。
●面接の際は、面接官の目を見て受け応えする
面接の際は、相手の目をまっすぐ見て、自信を持って応えましょう。見つめすぎるのも失礼ですが、うつむいたり、視線を逸らしながら話すのは、あなたのやる気を疑わせます。また、面接官が複数の場合は、特定の人にだけ視線を集中しすぎるのは適切ではありません。交代で質問してくる場合がほとんどですから、質問してくる相手を見ながら応えるようにしましょう。
●尊大な態度や、卑屈な態度は慎むこと
どの企業でも、応募者の人柄を判断するとき、「誠実さ」と「謙虚さ」を重視します。嫌われるのが「尊大な態度」。いくら仕事ができても、取引先や同僚とトラブルの連続では戦力になりません。しかし、謙虚であれば絶対好感を持たれるかというと、そうとも言えません。度を超して卑屈に見える態度は「自信がない」「覇気がない」と評価されかねないので注意しましょう。
●聞き取れなかった場合は、質問をくり返してもらおう
面接者の質問が開き取れなかったり、意味がよく飲み込めない場合もあります。そんなときは、わかった振りをして見当違いな答えをするより、「もう一度お願いします」とか、「今のご質問は、どういう意味なのでしょうか?」など、もう一度質問をしてもらいましょう。ただし、自分のほうに非がある態度を印象づけるため、「恐れ入りますが~」のひと言を忘れないようにする。
●「話し上手」は「聞き上手」である
日常の会話をスムーズに行う秘訣は、まず相手の話をよく聞くことにあります。面接の場合も同様で、面接官とうまくコミュニケーションを図ろうと思ったら、開く姿勢を見せなくてはなりません。話を聞けば、質問の目的が何なのかも理解でき、回答も自ずから明快なものとなるはずです。したがって、「よく聞き」「よく理解し」「適切に回答する」ことが、転職を成功に導くコツといえます。
●自分の言葉で、自信を持って面接に臨む
面接の場は、自分という<商品>を、面接官という<お客>に売り込むセールスの場です。商品とは自分のキャリアと人柄ですが、その実体は言葉によってしか説明できません。一般的な意見やマニュアル通りの受け応えでは、お客も他の商品との違いがつかめません。「自分の言葉」で「自分の考え」を売り込んで初めて、商談が成立するというものです。謙虚さは忘れずに積極的にアピールしましょう。
●簡潔にマトを絞った答え方を心がける
ダラダラとしてまとまりのない話は、面接官の興味が半減するだけでなく、メリハリのない人柄だという印象を与えます。大事なポイントをしっかり伝える有効な手段は、結論を先に述べること。つまり、直接の回答を与えてから、じっくりと説明をするスタイルです。さらに、語尾をはっきりさせることり特に、「イエス」と「ノー」に関わる語尾は明瞭にしないと、反対の意味で伝わってしまいます。
●内定通知が来たらできるだけ早く返答をする
内定通知は、一般に電話で来る(不採用の場合は郵送)場合が多いようです。内定通知をもらったら・本当に受諾するか否かに関わらず、一応「お願いします」という返事をしておきましょう。もちろん、郵送の場合もあります。そのときは、電話でもかまいませんので一両日中に返事をしなければなりません。返答が遅れたりすると、辞退と見なされることがあります。
●内定を保留したい場合は、断られる覚悟も
他の会社との掛け持ちで、そちらの結果を待ってから返事をしたい場合もあります。会社によっては、保留を受け入れてくれるところもありますが、正直に答えると、「辞退ですね」となりかねません。会社側の都合や感情も配慮して、「申し訳ありませんが、もう一度家族で相談したいので、2~3日いただけないでしょうか?」などとお願いしましょう。しかし、即断られる覚悟はしておきましょう。
●内定を辞退するときは速やかに申し出る
会社側は、内定者に合わせて準備し、不採用者にはすでに通知をし始めているかもしれません。辞退する場合は、その意志を電話で連絡し、会社側にできる限り迷惑のかからないように努めなければなりません。その際、諒退の意志を告げる<辞退の理由を述べる><お詫びの気持ちを伝える>ことが肝心です。また、紹介者がある場合には、その人に伝えることも忘れないようにしましょう。
●入社日を決定する
採用が決まったら、改めて入社予定日を明確にしましょう。すでに退職している人は決められますが、在職中の人はまず、今の会社をスムーズに退職することを心がけなければなりません。退職日が決まったら、速やかに次の会社の人事担当者と連絡を取り、出社日を決定しましょう。残務処理などで思わぬトラブルが発生したときには、すぐに連絡します。
●就業規則や契約条件を再確認する
労働基準法では、入社前に労働契約書を交わすことが義務づけられています。給与や労働時間、職務内容などに関することですので、しっかり目を通しておきましょう。しかし、給与以外は文書表示の義務がないので、口頭で説明されるのが一般的です。就業規則(10人以上の企業には作成の義務)や、面接時での条件と食い違うこともあるので、チェックし不審点があれば確認をするようにしましょう。また、「試用期間中」の待遇や条件にも忘れずに目を通し、確認をしておきましょう。
●必要書類を準備する
入社すれば、税金や社会保険の手続きは会社側がやってくれますので、そのときに必要になる書類「雇用保険被保険者証」「年金手帳」「源泉徴収票(退職した年に再就職した場合のみ)」を提出しなければなりません。
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