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医療事務 医療事務の資格とは?

一般的に資格という場合、「業務独占の資格」と「名称独占の資格」の2種類に大別されます。「業務独占の資格」とは、医師や看護師、弁護士などのように、資格を持っている人だけがその業務に就けるという資格のことです。「名称独占の資格」とは、中小企業診断士、介護福祉士などのように、資格を持っている人だけがその名称を使用できるという資格のことです。しかし、『医療事務の資格』と言われている資格は、実はこのいずれにも該当しません。医療事務職には、医師や看護師のような国家資格制度はないので、特定の資格を持っていなくても、医療事務の仕事を行うことができるからです。ただし、医療事務は携わる分野も多岐にわたるうえ、非常に専門性の高い仕事です。そのため、医療事務の業界団体や教育機関などでは、医療事務のスペシャリストを育成・認定するために、独自の検定試験や修了試験を実施しています。一般的に『医療事務の資格』と言われるのは、こうした検定試験の総称なのです。検定試験に合格しなければ医療事務の仕事に就けないということはありませんが、専門知識・技能を客観的に証明するために、多くの人が検定試験の合格を目指しています。本HPでも、特定の検定試験を紹介する場合などを除き、医療事務関連の検定試験を総称し、『医療事務の資格』としています。

医療事務にはいくつの資格がある?

医療事務の資格には、主にレセプト業務を中心としたものから、医療秘書、医事コンピュータによるレセプト作成能力を対象としたものまで、実にさまざまな種類の資格があります。ほとんどの骨格は、「医科」と「歯科」の2つに分かれており、さらに「1級」「2級」というように専門性のレベルに応じて等級を設けている資格もあるようです。資格によって特徴があり、受験資格や試験範囲、合格基準、試験日程なども大きく異なっています。受験資格をみても、とくに受験資格を必要としないものから、特定の教育機関での講座修了者や、医療機関等での実務経験者を受験対象とするものなどもあります。どの資格を取得しても、修得した専門知識が無駄になるようなことは決してありません。各資格の特徴や内容をよく検討し、自分のスケジュールやレベルなどに応じて目標とする資格を選ぶとよいでしょう。

医療事務技能審査試験

●厚生労働大臣許可の一般財団法人が実施する信頼と実績ある試験
●合格者には「メディカルクラーク」の称号が付与される
●年間受験者5万人超の業界最大規模の審査試験
資格概要 医療事務業務に従事する者の知識技能の程度を審査・証明し、職業能力向上と社会的経済的地位の向上に資することを目的として実施。医科、歯科に分かれており、それぞれ1級・2級に分かれている
受験資格 2級…1.教育機関等が行う教育訓練のうち、審査委員会が審査規程により認める「2級試験受験資格に関する教育訓練ガイドライン」に適合すると認めるものを履修した者、
2.医療機関等において医療事務職として6カ月以上の実務経験を有する者
1級…1.2級の技能審査に合格した者であり、医療機関等において医療刊務職として実務経験を1年6カ月以上有する者
2.教育機関等が行う教育訓練のうち、審査委員会が審査規程により認める「1級試験受験資格に関する教育訓練ガイドライン」に適合すると認められる者
3.医療機関等において医療事務職として3年以上の実務経験を有する者
受験科目 1級医療事務技能審査試験
実技I 接遇、院内コミュニケーション 筆記(記述式)
学科 医療事務専門知識 筆記(択一式) 25問
実技II 診療報酬請求事務 明細書点検 4問
2級医療事務技能審査試験
実技I 患者接遇 筆記(記述式) 2問 50分
学科 医療事務一般知識 筆記(択一式) 25問
実技II 診療報酬請求事務 明細書点検 4問
実施時期 1級医療事務技能審査試験年3回
(6月、10月、2月)
2級医療事務技能審査試験年12回(毎月)
受験料 7,500円
受験地 各都道府県内公共施設等
合格発表 実技試験I、Ⅱおよび学科試験それぞれの得点率が70%以上を合格とする。合否は試験日から約1カ月後に郵送で通知。合格者には結果通知から約1カ月後に合格証書が送付される
主催団体 一般財団法人日本医療教育財団
問い合わせ先 〒101-0064 東京都千代田区猿楽町2-2-10
電話03-3294-6624 ホームページあり

診療報酬請求事務能力認定試験

●「医科」「歯科」の別がある
●受験者が1万人を突破したもっともポピュラーな試験
●学生から年配の方まで幅広い層がチャレンジしている
資格概要 診療報酬請求事務に従事する者の資質向上を図るために実施されている 全国一斉統一試験
受験資格 不問
受験科目 「診療報酬請求事務能力認定試験ガイドライン」に基づく学科・実技
学科試験・・・
①医療保険制度等・公費負担医療制度の概要
②保険医療機関等・療養担当規則等の基礎知識
③診療報酬等・薬価基準・材料価格基準の基礎知識
④医療用語および医学・薬学の基礎知識
⑤医療関係法規の基礎知識
⑥介護保険制度の概要についての知識
実技試験・・・診療報酬請求事務の実技
実施時期 年2回(7・12月の日曜日または祝日)
受験料 7,500円
受験地 全国の試験会場(札幌市・仙台市・さいたま市・習志野市・東京都・新潟市・金沢市・静岡市・名古屋市・大阪府・岡山市・広島市・高松市・福岡市・熊本市・那覇市)
合格発表 試験実施日の翌々月末までに全受験者に合否を文書で通知。合格者の発表については、「協会だより」、「社会保険旬報」(株式会社社会保険研究所発行)に掲載するほか、ホームページにも掲載。合格者には認定証を交付
主催団体 公益財団法人日本医療保険事務協会
問い合わせ先 〒101-0047 東京都千代田区内神田2-5-3児谷ビル
電話03-3252-3811 ホームページあり
備考 試験場への診療報酬点数表、そのほかの資料の持ち込みは自由

医療事務管理士技能認定試験

●「医科」「歯科」の別がある
●合格者には「医療事務管理士」の称号が与えられる
●年間4万人近くの受験者がいる人気の資格試験
資格概要 医療保険制度・老人保健制度等や医学一般についての知識、診療報酬明細書の作成など保険請求事務についての知識・技能を認定する試験。医科医療事務または歯科医療事務のいずれかを選択
受験資格 不問
受験科目 学科試験
マークシート(択一式)10問
①法規(医療保険制度・老人保健制度・公費負担医療制度等についての知識
②医学一般(各臓器の組織・構造・生理機能・傷病の種類等についての知識) 実技試験
診療報酬明細書の作成3問(医科:外来2問、入院1問)歯科:外来3問
実施時期 年6回(1・3・5・7・9・11月の第4土曜日)
受験料 医科…6,700円(税込)歯科・・・6,700円(税込)
受験地 日本医療事務センターの指定会場、受験申請のあった専門学校,各種学校等
合格発表 試験日から1カ月以内に文書にて通知。合格者には認定合格証が交付される
主催団体 技能認定振興協会
問い合わせ先 〒101-0024東京都千代田区神田和泉町1-12-17久保田ピル3F
電話03-3864-3559 FAX03-3864-5112 ホームページあり
備考 診療報酬点数表、各種資料を参考にして答案作成が認められている

医療秘書技能認定試験

●医療秘書の資格
●受験資格は2級メディカルクラークの取得者が対象
●教育機関向けに行っている
資格概要 医療界で望まれる幅広い一般知識・技能および医療機関のスタッフとして活躍するために必要な医療保険制度や医学知識のほか、医療秘書としての業務を果たし得るに必要な知識と技能を、適性かつ公正に評価することを目的として実施
受験資格 2級メディカルクラーク(医科)の取得者で、教育機関等が行う教育訓練のうち、認定委員会が認定規程により認める「医療秘書技能認定試験受験資格に関する教育訓練ガイドライン」に適合する医療秘書教育課程を履修した者
受験科目 学科試験
(受付・案内業務、医療コスト計算、医学知識・用語、秘書実務・感性、社会・組織関係) 実技試験
接遇の基本事項および基礎知識、顧客の案内および応対、電話の対応
実施時期 年2回(2・8月)
受験料 4,500円
受験地 全国都道府県内の指定会場
合格発表 学科・実技とも70%以上の得点率を合格とする。合否は試験日から約1カ月後に郵送で通知。合格者には結果通知から約1カ月後に合桔証が交付される
主催団体 一般財団法人日本医療教育財団
問い合わせ先 〒101-0064 東京都千代田区猿楽町2-2-10
電話03-3294-6624 ホームページあり

日本医師会 医療秘書認定試験

●日本医師会が認定する医療秘書の資格要件
●日本医師会が認めた養成機関で教育を受けた人が対象
●現在まで8千人以上の合格者を出している
資格概要 日本医師会が認定する医療秘書として、医師を補佐し、地域医療に貢献しうる知識を習得しているか否かを確かめることを目的として行う
受験資格 「日本医師会認定医療秘書要綱」に定める養成機関の卒業生または卒業見込みの者
受験科目 医学基礎教科(患者論、薬の知識、医療用語など)、秘書専門教科(秘書実務、医療情報学、医療関係法規など)
実施時期 年1回(2005年度は2月実施)
受験料 5,000円
受験地 養成機関の所在地(宮城県、富山県、福井県、山梨県、岐阜県、静岡県、愛知県、広島県)
合格発表 日本医師会ホームページ(http://www.med.or.jp/)に掲載
主催団体 日本医師会
問い合わせ先 〒113-8621 東京都文京区本駒込2-28-16
電話03-3946-2121(代表)ホームページあり
備考 なお、日本医師会認定医療秘書の認定を受けるには、次の条件を合致していないといけない
①日本医師会医療秘書認定試験に合格していること
②日本医師会規定の秘書技能科目を3科目取得している者

医療秘書技能検定試験

●医療秘書としての専門知識と技能を審査・認定する資格試験
●2003年度の志願者数が2万人を超える人気の資格
●1級、準1級、2級、3級の4ランクがある
資格概要 医療機関ならびに医療関連機関に勤務する医療秘書として、実務マナー、医療法規や医学用語、医療事務の領域に高度の知識と技能を持ち、業務を専門的に遂行できることを目的に実施
受験資格 不問
受験科目 以下の分野から級ごとに難易度を変えて出題
①医療秘書実務
②医療機関の組織・運営・医療関係法規
③医学的基礎知識、医療関連知識
④医療事務
実施時期 年2回(6・11月)
受験料 ●1級・・・・6,500円
●準1級・・・・5,800円
●2級・・・・5,100円
●3級・・・・4,000円
●1級・準1級併願・・・・12,300円
●準1級・2級併願・・・・10,900円
●2級・3級併願・・・・9,100円
会員校の受験者は各級1,000円引き
受験地 医療秘書教育全国協議会の会員校など
合格発表 試験日から約1.5カ月後に合格通知および合格証書送付
主催団体 医療秘書教育全国協議会
問い合わせ先 〒134-0088 東京都江戸川区西葛西6-17-1-201
電話03-5675-7077 ホームページあり

医事オペレータ技能認定試験

●医事コンピュータオペレータの認定試験
●合格者には「メディカルオペレータ」の称号が与えられる
●2級メディカルクラーク取得者が対象
資格概要 医療事務業務のコンピュータ化に伴い、医療機関でのニーズが高まっている医事オペレータの知識・技能を評価・認定し、その社会的経済的地位の向上に資することを目的として実施
受験資格 2級メディカルクラーク(医科)取得者であり、教育機関等が行う数百訓練のうち、認定委員会が認定規程により認める「医事オペレータ技能認定試験受験資格に関する教育訓練ガイドライン」に適合する医事コンビュータ教育課程を履修した者
受験科目 コンピュータ操作に関する実技試験。外来・入院の診療伝票から患者情報、病名情報、診療情報を入力しレセプトを発行する
実施時期 年12回(毎月)
受験料 7,500円
受験地 全都道府県の指定会場
合格発表 70%以上の得点率を合格とする。合否は試験日から約1カ月後に郵送により通知。合格者には結果通知から約1カ月後に合格証が交付される
主催団体 一般財団法人日本医療教育財団
問い合わせ先 〒101-0064 東京都千代田区猿楽町2-2-10
電話03-3294-6624 ホームページあり

診療情報管理技能認定試験

●2004年から認定試験が始まった新しい資格
●情報管理のスペシャリストの試験として注目を浴びている
●合格者は「メディカル・レコード・コーディネーター」の称号が付与される
資格概要 診療情報管理業務に従事する者の知識・技能を評価・認定し、職業能力の向上と社会的経済的地位の向上に資することを目的として実施
受験資格 ①1級メディカルクラークもしくは1級医療事務職であって、診療情報菅理教育委員会が認める「診療情報管理技能認定試験受験資格に関する教育訓練ガイドライン」に適合すると認める教育課程を履修した者
②診療情報管理業務に3年以上の実務経験を有する者
③診療情報管理技能認定委員会が前各号と同等と認める者
受験科目 学科試験…診療情報管理専門知識
学科試験…実技I病名コーディング基礎知識
実技Ⅱ 病名コーディング専門知識
実施時期 年3回(5月、9月、1月)
受験料 7.500円
受験地 全都道府県の公共施設など
合格発表 学科・実技I、実技Ⅱの各々の得点率が70%以上を合格とする。合否は試験日から約1カ月後に郵送で通知。合格者には結果通知から約1カ月後に合格証が交付される。
主催団体 一般財団法人日本医療教育財団
問い合わせ先 〒101-0064 東京都千代田区猿楽町2-2-10
電話03-3294-6624 ホームページあり