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医療事務 正社員の待遇

正社員

病院や診療所などの医療機関に就職して正職員として働くので、原則として常勤フルタイムとなります。
医療事務全般の部署に配属されます。また、レセプト業務の期間は残業が多くなります。

アイコン 初任給は15万円~18万円台

医療事務の正社員の給与は、医療機関の規模などによりますが、日本医療労働組合連合会が発表した『賃金・労働時間等実態調査報告』 によると、平均初任給は高卒で15万8084円、大卒で18万3308円となっています。求人誌などで見ても、未経験者可のところは15万円~18万円が多く、一般企業で働く事務職とほぼ同じ水準といえます。また、医療事務はあまり学歴が重視されないため、経験を積んでいくことで、給与の差は小さくなります。

アイコン 一定年齢まで年功給職歴で上がる

医療事務の給与はどのように上がっていくのでしょうか。全日本病院協会が発表した 『医療従事者の給与に関するアンケート調査報告』によると、病院も診療所も含めて、一定の年齢(勤続年数)まで年功給というところが46.5%、次に公務員体系に準ずる、職能給という順になっています。具体的には、職歴3年で平均年収は290万円台、職歴10年で350万円台と、職歴=経験とみなして昇給していくようです。

アイコン 残業、夜勤当再勤務があると若干高めに

どんな職種にも繁忙期があります。医療事務の場合はレセプト請求期間にあたる月末月初。とくに診療所などでは、診療時間終了後に作業を行うところも多く、必然的に残業が多くなり給与も増えます。また夜勤当直の勤務がある場合は、基本給が通常よりも高めに設定されています。

アイコン 退職金は42年間勤務で2000万円台

社員として勤務していた証ともいうべき退職金は、医療事務の場合、一体いくらなのでしょう。給与と同様、医療機関の規模にもよりますが、日本医療労働組合連合会発表の『賃金・労働時間等実態調査報告』によると、高卒で入社し、勤続42年間、定年退職の場合は2091万円となっています。医療事務職は、結婚、出産を経て働き続ける人が多いため、正社員として働くなら当然、退職金も視野に入れるべきでしょう。

アイコン 病院の朝は早く8時30分出勤が基本

医療事務 正社員

病院や診療所の外来受付は8時30分、あるいは9時ということが多く、だいたい受付時間の30分前が出勤時間になっています。そのため、8時台には業務がスタートします。とくに大きな病院の場合は、初診、および予約のない再診受付は午前中のみとなっていることが多く、患者も朝早くに来て、受付の開始を待つという人が多いようです。そうした患者の対応をするのも医療事務スタッフの役目です。また救急病院であれば、夜間に来た患者が翌朝早くに来ることもあります。そうした患者のカルテを準備するために、朝早くに出勤することもあります。

アイコン 診療所などでは交替制勤務もあり

夜遅くまで診療を受け付けている個人病院や診療所では、複数の勤務時間帯があり、交替制でシフトを組んでいます。とくに、会社務め帰りの患者が多い皮膚科や歯科医院では交替勤務制が多く、早番、遅番勤務、もしくは短時間勤務、長時間勤務といった形で分けられています。

アイコン 大きな病院では、4週6休体制

大学病院など大きな病院の多くは週休2日制ではなく、4週6休体制になっています。これは、1カ月に6日間休むということ。日曜・祝日など病院が休みの日のほかに、月2回の休みを決めるというシステムで、月2回の休みは、医療中初スタッフの中で、交替制で決めます。

アイコン 調剤薬局などは週休2日制が基本

個人病院や診療所などでも、毎週木曜、日曜は休みというように、完全週休2日制にしているところがあります。とはいっても、まだ実施している病院の数は少ないといえます。そんななか、基本的に週休2日制にしている医療機関といえば、やはり、民間会社が経営する調剤薬局です。大手のドラッグストアに併設されている調剤薬局は、当てはまらないこともありますが、ほとんどはレセプト業務で忙しい月末月初を外した中で、交代で週に2日休みを取ることができます。

アイコン 年末年始、GWは長期間休めない

医療機関に正社員として入社したら、年末年始とゴールデンウィークは長期間休めないと思ったほうがよいでしょう。どんな時期でも月末月初のレセプト業務は避けられないからです。まったく休みがないわけではありませんが、一般の会社のように、7連休というようには取りにくいでしょう。医療事務スタッフの数にもよりますが、ゴールデンウィークなども交代で出勤することが多いといえます。調剤薬局などでは、ゴールデンウイーク、年末年始以外なら、長期の休みを交替で取れるようになっているところもあります。

アイコン 正社員採用は経験者、有資格者が有利

ハローページなどの求人表を見てみると、医療事務の正社員募集は、実務経験者のみ、あるいは経験者優遇となっているものが半数近いのが現状です。実務経験の長さは、最低でも1年または2年以上となっています。もちろん、未経験でも応募可能なところもあります。ただし、医療機関の新卒募集や部署の中での年齢構成などの理由から、10代後半から20代の若年層に限定されることが多いといえます。また、実務経験はなくても、医療事務の専修学校の卒業生や、資格を取得した人も優遇されることが多くなってきました。資格を取得しないと就職できないわけではありませんが、現在は資格を持っていることが、医療事務の基礎知識があるかどうかの目安になっています。そのため、医療事務をめざす人のほとんどが、資格を取得してから就職に臨んでいます。

アイコン 経験があれば年齢制限はやや緩和

実務経験者の場合は、未経験者の募集に比べて、年齢制限は多少緩くなる傾向にあります。そうはいっても、40歳くらいまでというところがほとんどです。老人の患者が多い病院などの場合、年齢が近い事務スタッフを求めるケースもありますが、ごくまれだと考えてよいでしょう。

アイコン パソコンスキルは必要不可欠

医療事務 パソコン

経験の有無に関わらず必要なのは、パソコンのスキルです。従来は手書きで作成していたレセプトも、今はほとんどの医療機関でコンピュータ処理をしています。大きな病院などでは、診療側がコンピュータに診療内容を入力すると、院内LANで医事課にその内容が伝達され、診療報酬を算定するというシステムを組んでいるところも少なくありません。ただし、診療報酬のコンピュータ処理は、医療機関によってそのシステムが異なり、使用されているソフトもまちまちなので、ワードやエクセルなどの操作ができる程度で十分でしょう。あとは、仕事をしながら覚えていくしかありません。

アイコン 求人数に地域格差はほとんどない

医療事務は、日本全国どこに行っても求人があります。それも、都市部に求人の数が集中しているというわけではなく、地方でも少なからず正社員の募集があります。給与格差は若干ありますが、求人件数に関しては地域格差がほとんどないといってよいでしょう。

アイコン 求人がダントツに多いのは調剤薬局

今、医療事務の求人がもっとも多いのが調剤薬局です。医薬分業のため、ほとんどの病院では処方せんを発行し、それを患者が調剤薬局に持参するという方式をとっています。そのため、フランチャイズチェーン展開をする調剤薬局が増加傾向にあります。それに伴い、薬剤師はもちろん、調剤を専門に扱う医療事務も求められています。

アイコン 社会保険完備は正社員のメリット

正社員として働く最大のメリットといえば、雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金などの社会保険が完備されていることです。雇用保険は、離職した際に一定期間の失業保険を受け取ることができるというものです。労災保険は、勤務中や通勤途中に事故に遭った場合などに、治療費が支払われます。また、厚生年金に加入していることで、老後の生活の不安も軽減されます。

アイコン 育児休暇があり保育室完備も

医療事務は、年齢に関係なく働き続ける人が多いため、大病院などでは、多くの場合育児休暇があります。そのため、復帰もしやすい環境といえます。中には託児所つきの医療機関もあるので、待遇についてもよく確認しましょう。