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医療事務 資格を取得するための学習方法3

独学で資格を取る

アイコン 費用の安さとすべてをマイペースで進められるところが魅力

●教材準備から学習方法の検討まで、独力でできるかをチェック
必要なテキストや問題集の購入費のほかには特に費用がかからないことと、通信講座以上にマイペースで勉強を進められることが独学の魅力です。しかし、独学で医療事務の資格をめざすには「医療事務の実務体験や勉強経験がある」場合、もしくは「めざす資格の教材などを入手する」ことができて、なおかつ「めざす資格の受験資格が特定の講座の修了試験ではない」場合に限られるといえます。独学を進めるうえで必要な作業は、①めざす資格を決める、②受験用教材を準備する、③最新受験情報を入手する、④学習スケジュールを立案する、⑤学習法を検討する、⑥試験対策を行う、となり、これらの作業をすべて自分自身で行わなければなりません。もしも作業のどれかに大きな不安要素があれば、通学、通信講座を検討してみましょう。

テキスト、過去問題集を活用する

アイコン 医療事務の教材はテキスト、参考書、問題集が基本

●「診療点数早見表」は学習の全期間において活用する

医療事務 参考書

学習方法によって使用する教材は異なりますが、教科書となるテキスト、理解を深めるための参考書、学習度を確認する問題集を活用しながら学習を進めます。なお、診療点数早見表は学習の全期間において活用します。常に手元に置いて調べることに慣れておきましょう。
★基礎期…目標とする資格を取得するために必要な知識の全体像を把握する時期です。目標資格の出題範囲がひととおり解説されたテキストを活用します。
★応用期
…細部を理解して知識を身につける時期です。理解しなければならない各項目について詳細に解説されている参考書、レセプト作成トレーニングのための間邁集、学科過去問題集、各種点数表、医療用語集などを活用します。
★直前期…受験前の復習と最終チェックのための時期です。これまで活用してきたテキストや参考書、予想問題集や過去問題集を活用します。

独学のメリット・デメリット

 メリット1
自分のベースで学習できる

独学で資格にトライする最大のメリットは自分のペースで学習を進められることです。試験項目を見た段階で「独学でいけそうだ」と思えるならチャンスはあります。医療事務には必須の、診療服酬点枚の値釈などが問題なくできる実務経験者や、以前スクールなどで勉強した人なら、独学で資格を取得することは不可能ではありません。

 メリット2
費用を抑えられる

独学で資格を取る場合、費用は参考書や過去問題集など、必要最低限の金額に抑えることができるため、大きな出費がかさむことを避けられます。

 デメリット
知識がなければ難しい

医療事務に特有の診療報酬点数表の見方や関連法規などについては、知識がまったくない人にとってはかなり難解で、疑問が生じたときにも近くに指導してくれる人がいないと、解決に時間がかかります。さらに、通信講座同様、自己管理が必要です。テキストの選択からスケジュールの組み立てなどすべて自分で決めなければなりません。

独学向きの資格

医療事務 独学

独学で取得できる資格は、限られるのが現状です。新しい資格試験は、とくに資料が少ないため、独学には向かないでしょう。独学で取得するのに向く資格は、以下の条件を満たすものです。
①受験資格が不問または実務経験者である
②市販のテキストが充実している
③過去問題が公開されている 診療報酬請求事務能力認定試験は参考書が多く出版されているので、独学向きの資格といえるでしょう。なお、指定の講座の受講が受験資格になっている場合は、独学での資格収得はできません。

独学の学習方法

 ステップ1
狙う資格を決める

過去の試験問題は、公開されているものと非公開のものがあります。非公開の資格は独学では難しいでしょう。

 ステップ2
教材の準備

基本的な知識を得るための参考書、過去の問題集、受験対策問題集以外に診療報酬点数早見表を揃えましょう。調剤の場合は薬価点数早見表が必要です。参考晋はあまり雉解でない、初心者向けのものがおすすめです。参考書類は比較的大きな書店でしか扱っていないことが多く、近くにない場合はインターネットで取り寄せることになります。資格試験の主催団体に問い合わせて教材のアドバイスを受けるのもよいでしょう。

 ステップ3
スケジュールを立てる

まず、試験が実施される日時を把握すること。主催団体に問い合わせると、会場と併せて案内してくれます。次に、試験日までの学習スケジュールをある程度決め勉強を始めましょう。実現可能な、無理のないスケジュールを立てるのが、成功のポイントです。準備を始めてから半年から1年で合格できれば、かなりのスピード合格です。家事や仕事の合間に勉強をし、「それなりに勉強できたら受験する」という方法は得策ではありません。だらだらと勉強していると、その間に法律や点数計算などのシステムがどんどん変わっていき、覚えたことが無駄になってしまいます。

 ステップ4
出題傾向を把握する

出題傾向を知るには過去問題集を見る方法と、通信講座などのカリキュラムを参考にして必要な科目を絞る方法があります。インターネットでも過去間出集の一部が確認できるサイトがあります。可能な限り情報を収集して対策を立てましょう。

 ステップ5
情報収集を怠らない

独学の場合は、新しい情報が入手しつらいというデメリットがあります。法律や制度の改訂が行われたとき、それらが参考図書に反映されるまでには時間がかかります。新聞記事や厚生労働省のホームページなどで、関連情報を入手しましょう。

 ステップ6
一度受験してみる

実際に受験してみれば、自分の実力も試験の傾向もよく分かります。一度では合格できないかもしれませんが、試験での体験をもとに新たに勉強を始めれば、いつか独学で合格するのも夢でありません。

専門学校、短期大学で資格を取る

アイコン 在学中に複数の資格取得が可能

●医療や福祉を2年間じっくりと広範囲に学べる

医療事務 学校

専門学校や短期大学では、2年間じっくりと医療や福祉について広範囲に学べるので、複数の資格取得が可能です。学費は年間約100万円かかります。
★専門学校…医療福祉系とビジネス系の専門学校があります。医療福祉系では専門性の高いスペシャリストをめざせます。一方、ビジネス系では基本的な医療事務の知識とともに、パソコン技能や一般的なビジネススキルも身につけられます。また、専門学校は資格取得を明確に設定しているため、医療事務関連の資格はもちろんのこと、努力次第で複数の資格取得が可能です。実習カリキュラムが充実していることや、就職率が高いというメリットもあります。
★短期大学…福祉系の大学や秘書科などを設置する短期大学では、医療事務関係の授業や医療事務コースなどの新設が増えています。医療事務の資格の中には、大学や短大の規定科目履修を受験資格としているものもあります。

専学・短大のメリット・デメリット

 メリット1
高い就職率

専学・短大では、就職のサポートが充実しているのが魅力。就職ガイダンスや企業説明会を開催するため、たくさんの医療機関の情報を得ることができます。また、学校にくる求人の数も多いため、就職率は90%以上のところも多数あります。

 メリット2
専門士の称号をもらえる

専学では専門課程を修了すると、保育士や建築士など「専門士」の称号を与えられます。医療事務士なども、この専門士の資格にあたります。どの学科にも修了時に取得可能な資格が明示されているので確認しましょう。資格の種類も豊富で、その学校独自の認定資格を設けているところもあります。

 メリット3
病院の実習がある

専学や短大では、医療機関で実習が行われるのが魅力です。患者の対応や、カルテの整理など、実際に業務を行い、専門部署での仕事を実感することができます。また治療器具など実物を確認しながら学べるので、普段の勉強とはまったく違う体験ができます。

 メリット4
一般知識も得られる

専学・短大はさまざまな専門分野の人材育成のための教育を行っています。コースによっては、ビジネスマナーやパソコン実習、簿記など、医療関係ではない講座も充実しているため、幅広い知識を得られるところが魅力です。

 デメリット
時間と費用が必要

教育機関としては充実していますが、十分な時間とともに、大学に劣らない入学金、学費などの費用も必要です。専学・短大でじっくり学びたい人は、金鍼面の準備も必要です。

専学・短大を決定するポイント

 ポイント1 どの学校が合っているか

医療事務関連の講座を開設しているのは、主にビジネス系か医療福祉系の専学です。医療関連分野のコースを持つ専学では学科の種類が多く、コースも細分化される傾向があります。歯科関連のコースを設けている学校もあるので、歯科の医療事務を目指している人には適しています。ビジネス系では英検やワープロなど、一般のビジネスで役立つ資格も取得できるようになっています。福祉系の短大でも医療事務のカリキュラムが組まれているところが増えています。自分が身につけたい知識に合わせて学校を選びましょう。

 ポイント2
就職実績はどうか

専修学校・短大の就職率は、高い傾向にありますが、実際にどんな就職のバックアップ体制が整っているのかを、事前に確認します。また、卒業生がどんな医療機関に就職しているのかも重要です。自分が働きたい医療機関への就職実績がある学校を選びましょう。

 ポイント3
社会人にも受講できるか

最近は、夜間コースなどへの社会人の受入れも、積極的に行われています。仕事をしながら勉強したい人は、社会人でも、受講できるのかどうかを確認しておきましょう。

訓練給付制度を利用する

アイコン 対象者ならぜひ利用したい、受講料の一部が返還される国の制度

●対象者であれば、支払った20%または40%が戻ってくる
厚生労働省は、社会人のスキルアップを支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とした教育訓練給付制度を実施しています。この制度は、厚生労働大臣が指定する各種講座を受講、修了した一定の条件を満たす対象者に対し、本人が支払った教育訓練経費の20%または40%にあたる額がハローワークより本人に支給されるものです。支給対象者は、在職者または離職後1年以内の人であり、なおかつ教育訓練指定講座の受講開始日時点で「支給要件期間が通算3年以上ある人」に限られます。支給要件期間とは、雇用保険に加入している期間のことです。支給額は支給要件期間が3年以上5年末満の場合で20%相当額(上限10万円)、5年以上の場合で40%相当額(上限20万円)です。最寄りのハローワークで詳細の確認や支給申請手続きができます。